「英語を話せるようになりたい」と思ったことはありませんか?
特にビジネスの場では、英語力の有無がキャリアを左右する時代になりました。
その中でも注目されているのが「CEFRのB2レベル」。
日本人がどれくらいB2レベルに達しているのか気になりますよね?
この記事ではなぜ重要なのか、そしてどうすれば到達できるのかをわかりやすく解説します。
1.CEFRとB2レベルとは?
1-1.CEFRの6段階レベル(A1〜C2)の概要
CEFR(セファール)とは、「外国語の習熟度を示す国際基準」のことです。
A1からC2まで6段階に分かれています。
- A1〜A2:日常会話の初歩
- B1〜B2:中級レベル。ある程度複雑な話題も扱える
- C1〜C2:上級レベル。流暢に議論・交渉が可能
自立した言語学習者
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
1-2.B2レベルのスピーキング・ライティング・リーディング能力
B2レベルでは、以下のような能力が期待されます。
- スピーキング:自分の意見を明確に述べ、討論に参加できる
- ライティング:複雑な構文を用いた文書作成が可能
- リーディング:新聞記事や専門的なテキストも理解できる
1-3.B2が使える英語力とは?仕事・学術での活用シーン紹介
このレベルの英語力があると、以下のような場面で活躍できます。
- 国際会議や商談での意思疎通
- 海外拠点とのやり取り
- 学術発表や英語論文の執筆
2.日本人のCEFR B2保有率は?
2-1.スピーキングでB2以上はわずか6%(PROGOS調査)
PROGOSによる2023年の調査によると、日本人のうちB2以上のスピーキング力を持つ人はわずか6.0%でした。
特に実践的な会話力の欠如が顕著であることが示されています。
2-2.流暢な英語(B2-C1)は日本人全体の2%以下(Forbes報道)
さらに、Forbes JAPANなどによれば、日常業務を英語で問題なくこなせるレベル(B2〜C1)に達しているのは、日本人全体の2%以下とも言われています。
2-3.集団別データ:学生や管理職にやや高い傾向
PROGOSのレポートでは、大学生では英語力が高く、B2レベル以上の割合が平均よりやや高め。
また、企業内では管理職クラスにB2レベル到達者が多い傾向も確認されています。
3.B2レベルに達しない理由と課題
3-1.リスニング・リーディングとスピーキング能力の格差
TOEICスコアは高くても、スピーキング力が著しく低いケースが多く見られます。
これは「読む・聞く」に偏った教育の結果とも言えるでしょう。
3-2.教育現場・社会人環境の英語学習機会の限界
日本の学校教育では、文法と読解に重きが置かれ、スピーキングの実践機会が不足しています。
社会人になると英語学習の時間も確保しづらくなります。
3-3.B2達成における時間・学習コストの問題
B1からB2に上がるには、およそ200〜300時間の学習時間が必要とされます。
この「壁」を越えるには、相応の努力と計画が求められます。
4.B2レベル到達がもたらすメリット
4-1.グローバルビジネスで「相手の土俵で勝負できる力」
英語でプレゼンや交渉ができれば、対等にビジネスができる自信が生まれます。
企業の海外展開にも大きな武器になります。
4-2.学術的・専門的なディスカッションへの参加力向上
専門領域の文献や国際会議への参加も、B2レベルなら問題なく対応できます。
4-3.キャリアや海外展開など、実務上の優位性
B2レベル以上の英語力を条件にする企業も増えており、昇進・転職・海外赴任などのチャンスが広がります。
5.B2レベルを目指すための戦略と勉強法
5-1.スピーキング特化型テストやAIツールの活用
PROGOSのようなスピーキング特化型AIテストで現状把握し、弱点を分析することが効果的です。
5-2.目標スコア指標(英検準1級〜1級、IELTS6.0、TOEFL60〜78)
B2相当のスコアは以下が目安です
- 英検:準1級〜1級
- IELTS:6.0以上
- TOEFL iBT:60〜78点
5-3.学習方法:インプット+アウトプットのバランス
- オンライン英会話や英語プレゼン練習でアウトプット強化
- ニュース記事やTED Talksの活用でインプットを広げる
5-4.学習時間の目安とロードマップ
- B1→B2には約250時間の追加学習
- 週10時間×半年の集中トレーニングで到達も可能
- 模試や英語コーチングでペース管理を
6.日本人全体の英語力底上げに向けて今後の展開
6-1.企業研修や教育機関によるスピーキング重視の動き
最近ではスピーキング力重視の社内研修や、英語で授業を行う学校が増加しています。
6-2.日本とアジア諸国との比較と差の要因
アジア諸国と比べても日本のB2到達率は低め。その背景には実用的英語教育の不足が挙げられます。
6-3.政府や教育界の取り組みのあり方と今後の課題
文部科学省も「話す力」の強化に取り組み始めましたが、実施の質と現場の理解が求められます。
まとめ
現在、日本人でCEFR B2レベル以上の英語力を持つ人はごく少数(6%、流暢さでは2%以下)です。
しかし、B2レベルの英語力はビジネスや学術の世界での大きな武器になります。
今後は、個人・企業・教育機関が協力し合い、実践的なスピーキング力を中心に英語学習の再構築が必要です。
一人ひとりの努力が、日本全体の英語力底上げにつながるはずです。