はじめに
CCNAの勉強に励んでいるみなさんへ、今回は「ping –t」コマンドにフォーカスした解説記事をご用意しました。
ネットワークのトラブルシューティングにおいて欠かせないこのコマンド、意外と深く理解できていない方も多いのでは?
本記事では、基礎から応用まで丁寧に解説し、試験対策や実務への橋渡しにも役立つ内容をお届けします。
ぜひ、ping –tをマスターして自信をつけてくださいね。
1.pingとping –tの基礎
pingの仕組みとICMPの役割
まずはpingコマンドの基本からおさらいしましょう。
pingはICMP(Internet Control Message Protocol)という仕組みを使って、対象ホストへの疎通確認を行います。
ICMPエコーリクエストを送り、返ってきたエコーリプライで「生きているか」をチェックするのが基本です。
Windows・Unix系との違い:ping –tとは?
WindowsやUnix系OSでは、pingコマンドにオプションをつけて動作を変えられます。
特にWindowsのping –t
は継続的に繰り返し送信し、Ctrl+Cで停止するタイプです。
これに対し、Unix系では-t
はTTL(Time To Live)指定であり、意味が異なるので注意が必要です。
Cisco IOSにおける“拡張ping”との違い
Ciscoルータでは、ping
コマンドで対話的に「拡張ping(extended ping)」が実行できます。
これは宛先やパケットサイズ、TTLなどを細かく指定できる多機能版。
一方ping –t
は、特定の回数ではなくループ的に連続Pingを実行する用途で使われる点が特徴です。
2.ping –tの使い方
Ciscoルータでの連続Ping実行手順
Cisco IOSではping
コマンド入力後、プロンプトから連続Pingを選びます。
さらに宛先IPを入力すると、自動でping –t
に相当する連続Pingモードに移行し、Ctrl+Shift+6+xなどでプロセスを中断できます。
応答の見方:! と . の意味
結果表示では、!
が“成功応答”、.
が“タイムアウト”。
連続Pingでは、特に.
が増えるタイミングはネットワーク障害の初期兆候として重要です。
タイムアウトやネットワーク障害時の表示パターン
連続Ping中に一定時間応答が無いと.
が連続表示されます。
さらに応答復帰後も応答時間が長い(例:200 ms以上)場合は遅延の兆候ととらえ、追加調査が必要です。
3.ping –t の応用と応答解析
ネットワークトラブル時の活用例
例えば「断続的に通信が途切れる」問題では、連続Pingで障害時間が可視化できます。
原因がスイッチや物理配線、ISPまで幅広く推定でき、原因絞り込みに効果的です。
ARP学習タイムアウトと最初の1回目の失敗
新たな宛先へ最初にPingを送る際、ARPテーブルにMACアドレスが登録されていない場合があります。
この最初のPingが失敗し、続くPingで成功するのが典型的なパターンです。
TTL、パケットサイズの調整はpingとどう違う?
拡張pingと違い、ping –t
ではTTLやパケットサイズ指定ができません。
特別な検証が必要な場合は、拡張pingを使用するとよいでしょう。
4.CCNA試験によく出るping –t関連問題
模擬試験で問われるポイントまとめ
- ping –tの動作(継続実行)
!
と.
の意味- ARP学習との関係性
- 応答時間の増加と遅延の区別ポイント
これらのポイントは試験でもよく出題されるので、しっかり覚えておきたいですね。
問題演習:ping –tで得られる障害の識別
「連続Pingで‘...!.’のように断続的に.
が表示される場合、何が考えられるか?」という形式の問題を想定しましょう。
そして、原因例と回答プロセスを紹介します。
5.ping –tだけでなく知っておきたい関連コマンド
拡張ping(サイズ・回数指定)とは?
拡張pingは宛先、TTL、間隔、パケットサイズなどを詳細設定できるコマンドで、特定状況で有効です。
tracerouteとの比較と使い分け
tracerouteは特定宛先までのルータ経路を解析するツールで、ネットワーク経路の診断に使います。
Pingと組み合わせることで原因特定がしやすくなります。
show コマンドと組み合わせた確認フロー
show ip route
、show interfaces
などの出力をPing結果と照らします。
そうすることで、障害箇所の特定やルーティング正常性の確認ができます。
6.まとめ
- ping –tはCCNAでも頻出の基本コマンドで、連続Pingによって通信状態を把握できます。
- 結果の記号(!と.)やARP関連の動作を押さえることで、トラブルの原因が読み取れます。
- 実務では拡張pingやtraceroute、showコマンドと併用することで、さらに精度の高いネットワーク診断が可能になります。
次へのステップ
ping –tでシンプルな疎通確認をマスターした後は、拡張pingやtracerouteを使った経路分析へ進みましょう。
ネットワークトラブルシュート力がより強化されますよ。
CCNA合格後も、ぜひ実務でもこのスキルを活かしてくださいね。