英語力を「聞く・話す・読む・書く」の4技能で測ることができるGTEC(ジーテック)は、全国の多くの学校や受験生に利用されている人気の英語試験です。
一口にGTECといっても、「アセスメント版」と「検定版」の2種類があるのをご存じでしょうか?
どちらも英語力を測る試験であることに違いはありませんが、目的や使える場面、発行されるスコアの内容が大きく異なります。
この記事では、それぞれのタイプの特徴や違いをわかりやすく整理しながら、どんな人にどちらのタイプが向いているのかを丁寧にご紹介してまいります。
1.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】試験タイプ一覧
アセスメント版とは
アセスメント版は、主に学校内の英語指導の一環として利用されるGTECの形式です。
受験する方法としては、以下の2種類があります。
- 学校所有の端末やベネッセ提供端末での受検
- Digital方式(インターネット経由での受検)
この形式では、受験後にスコアレポートが返却されますが、公式のスコア証明書は発行されません。
そのため、大学入試や外部提出には使用できず、あくまで学習の成果測定・指導の参考としての活用が目的です。
また、技能数は学校によって異なり、3技能(Listening, Reading, Writing)または4技能(Speaking含む)のどちらかを選べるようになっています。
検定版(学校受検型)とは
検定版は、団体受検形式で学校を通じて行われるタイプのGTECです。
こちらは、試験監督のもとでしっかりと管理された形で実施されるため、公的な試験としての信頼性が高いのが特長です。
さらに、4技能すべてに対応しており、Official Score Certificate(公式スコア証明書)が発行されます。
この証明書は、大学入試の外部検定利用や学校推薦の書類として提出することが可能です。
実施は年に3回ほどと限定されていますが、そのぶんスコアの重みや信頼性が高いとされています。
CBTタイプとの比較(補足)
GTECには、個人で申し込めるCBT(Computer Based Testing)タイプもあります。
これは公式の試験会場で受験する個人向け形式で、検定版と同様に4技能を測定し、スコア証明書も発行されます。
「学校で受けられなかったけれど、GTECのスコアが必要」という場合などには、このCBTタイプが便利です。
2.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】比較まとめ
比較項目 | アセスメント版 | 検定版(学校受検型) |
---|---|---|
利用目的 | 英語指導・学習フォロー | 大学入試・推薦書類など |
発行物 | スコアレポートのみ | スコアレポート+公式証明書 |
実施形式 | 学校内実施、準備が柔軟 | 学校主催で監督付き |
対応技能 | 3技能 or 4技能 | 原則4技能 |
スコア構成・上限 | 共通(Core/Basic/Advancedで区分) |
アセスメント版と検定版は、スコアの上限や採点基準は同じですが、使える場面や目的がまったく異なります。選ぶ際には、自分の目的を明確にすることが大切ですね。
3.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】メリット・デメリット
アセスメント版
メリット
- 年間2回と受検のチャンスが多く、学校の予定に合わせやすい
- スコア返却が早く、指導や学習改善にすぐ活かせる
- 準備や実施方法が柔軟で、導入しやすい
デメリット
- 公式なスコア証明書が発行されないため、大学入試には使えない
検定版
メリット
- 大学入試の外部検定利用や推薦入試に使用可能
- 公的な試験としてスコアの信頼性が高い
デメリット
- 実施回数が年3回に限られ、スケジュールがタイト
- 学校としての導入には、監督体制などの準備が必要
4.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】選び方のポイント
どちらのGTECを選ぶか迷ったときには、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。
目的別で比較
- 学校内での学習成果の確認や英語指導の一環として使いたい方は、アセスメント版がおすすめです。
- 大学入試や推薦入試でスコアを提出したい方は、検定版(またはCBT)を選びましょう。
レベル別受検のタイミング
GTECは、受験者の英語力に合わせて「Core(中学程度)」「Basic(高校中級程度)」「Advanced(高校上級~大学受験レベル)」の3段階に分かれています。
自分のレベルに合ったものを選ぶことで、正確なスコアが得られます。
実施頻度や費用の違いもチェック
- アセスメント版は比較的安価で頻度も高いため、定期的に英語力を測りたい方にぴったりです。
- 検定版は導入費用がやや高めですが、スコアの価値が大きく、出願書類に活かせます。
5.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】Q&A
Q. スコアの基準は違うの?
→ いいえ。アセスメント版も検定版も、絶対評価に基づいており、同じ基準でスコアが算出されます。
Q. オフィシャルスコア証明書の再発行はできる?
→ 検定版およびCBTタイプのみ対応しています。
再発行には期限や申請方法があるため、詳しくは公式サイトで確認しましょう。
Q. 個人で受験することはできますか?
→ はい、CBTタイプであれば個人申し込み・受験が可能です。
公式のテストセンターで行われるため、検定版と同様の扱いになります。
6.【GTECのアセスメント版と検定版の違い】実際の活用事例
学校での活用(アセスメント版)
ある高校では、年2回のアセスメント版を活用して、生徒の英語力の伸びを確認しながら、指導方針を見直すサイクルを作っているそうです。
これにより、生徒自身も「成績以外の形で自分の英語力を可視化」できると好評とのことです。
受験生の声(検定版)
推薦入試を目指す高校3年生のAさんは、検定版のスコアを出願書類として活用。
面接でも「英語の勉強を継続してきた証拠として評価された」と話してくれました。
7.まとめ
GTECには、アセスメント版と検定版という2つのタイプがあり、それぞれに目的や使い方が異なる特徴があります。
- 学習の振り返りや指導用:アセスメント版
- 大学入試や外部提出用:検定版またはCBT
自分の目標やタイミングに合わせて、最適な形式を選んでくださいね。
「GTECをどう活かすか」が、これからの英語学習や進路選びに大きく関わってきます。
この記事が皆さんの選択のヒントになれば幸いです。