高校生活の中で、「志望校をどう選べばいいのか」「今の成績でどの大学が目指せるのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
そんなとき、進研模試などで表示される「GTZ(学習到達ゾーン)」という指標が大きなヒントになります。
この記事では、GTZの基本から、各ゾーンに対応する大学レベル、そしてGTZを使った志望校選びの進め方まで、わかりやすくご紹介します。
高校生の皆さんはもちろん、保護者の方や進路指導をされる先生方にも参考にしていただける内容です。
ご自身のGTZを正しく理解し、将来に向けての進路選択に役立ててくださいね。
1.ベネッセGTZで大学別レベルがわかる!GTZとは?
GTZの定義と特徴
GTZとは、「学習到達ゾーン(Growth Target Zone)」の略称で、ベネッセが独自に開発した学力指標です。
進研模試の結果や全国の受験データをもとに、単なる現在の学力だけではなく、学習の伸びしろや志望校合格の可能性を考慮して算出されます。
一人ひとりの努力や成長のポテンシャルを前向きに評価する設計となっており、偏差値だけでは見えにくい“現実的な到達可能ライン”を示してくれるのが特徴です。
GTZの評価スケール(S1〜D3)と偏差値換算目安
GTZは、S1からD3までの18段階に分かれています。
たとえば、進研模試(国数英総合)の高1・高2対象では、以下のような換算目安があります。
- S1:偏差値76.0以上
- S2:71.7〜75.9
- S3:67.5〜71.6
- A1:63.2〜67.4
- A2:59.0〜63.1
- A3:54.7〜58.9
- B1〜D3:それ以下の段階に細分化
学年や文系・理系によって若干のズレはありますが、大まかな目安として参考になります。
2.ベネッセGTZで大学別レベルがわかる!目安一覧
S1〜A3 のゾーンと対応する大学例
GTZの上位ゾーンに位置する場合、目指せる大学のレベルも非常に高くなります。
- S1:東京大学、京都大学、医学部医学科など国内最難関
- S2:東京工業大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学、国際基督教大学
- S3:東北大学、名古屋大学、上智大学、同志社大学など
- A1:千葉大学、筑波大学、明治大学、立教大学、青山学院大学
- A2〜A3:地方国公立大学、中堅私立大学群(法政、成蹊、関西学院など)
これらの大学は、模試の偏差値だけでなく、GTZによっても現実的な到達度を確認することができます。
A2以下(B1〜D3)のゾーンと対応大学
GTZがB1以下の場合も、目指せる進路はしっかりとあります。
- B1〜B3:やや易しめの私立大学(文教大学、東海大学、近畿大学など)
- C1〜D3:短期大学、専門学校、基礎固めを必要とする段階
今はまだ学力が安定していなくても、ここからの伸び次第で上位ゾーンを目指すことも十分可能です。
高校別・動的な例(実際のGTZ付入試スケジュール)
一部の高校では、GTZを基準にした「志望校選びのロードマップ」を提示しているところもあります。
例えば、夏の進研模試でS3だった生徒が、冬にはA1に伸ばして、第一志望校を変更するというような使い方です。
GTZは「今の自分の場所」と「目指すゴール」をつなぐ橋のような役割を果たします。
3.ベネッセGTZで大学別レベルがわかる!志望校選び
自分のGTZを確認する方法
GTZは、進研模試やベネッセ提供の学習成績表に記載されています。
成績表の見方を確認し、「S1〜D3」のどのゾーンに該当するかをチェックしましょう。
また、学校の先生や進路指導室でも確認できることが多いので、気軽に相談してみてください。
模試偏差値との違いを理解しよう
GTZと偏差値は似ているようで異なるものです。
偏差値は「今の学力の位置」を示す数値であるのに対し、GTZは「このままの努力を続ければ到達可能なゾーン」として未来志向で設計されています。
模試によって母集団や難易度が異なるため、単純に偏差値を比較するよりも、GTZのほうが志望校戦略に向いていることもあります。
ゾーンごとの志望校バランスの考え方
志望校選びの際には、次のようなバランスを意識すると良いでしょう。
- 挑戦校:GTZより1〜2ランク上
- 実力相応校:GTZと同じゾーン
- 安全校:GTZより1〜2ランク下
例えばGTZがA2の場合、挑戦校として明治大学、実力相応校として成蹊大学、安全校として東洋大学を設定する、というイメージです。
併願校の組み合わせにも活用できますよ。
4.ベネッセGTZで大学別レベルがわかる!Q&A
S1って本当にすごいの?上位何%?
S1は、進研模試の受験者全体から見ても上位1〜2%程度にあたる非常に高い水準です。
ネットの口コミなどでは、「東大・京大・一橋などが現実的に狙えるレベル」と言われています。
このゾーンに入るためには、日々の学習の質と量を相当意識する必要があります。
模試の母集団の違いでGTZは変動する?
はい、模試によって受験者の層や時期が異なるため、GTZにも多少の変動があります。
たとえば、春の模試と冬の模試では難易度や平均点が異なることがあるため、GTZはあくまで「一つの目安」として捉えるのが大切です。
複数回の模試での推移を見ながら、総合的に判断していきましょう。
まとめ
GTZ(学習到達ゾーン)は、自分の現在の学力と、将来目指すべき大学のギャップを「見える化」するための有効な指標です。
単なる偏差値だけではなく、GTZという視点を持つことで、より現実的で前向きな志望校戦略を立てることができます。
模試の結果に一喜一憂するのではなく、継続的な学習と目標設定のためのツールとしてGTZを活用してみてくださいね。
自分の可能性を信じて、一歩ずつ目標に近づいていきましょう。応援しています!