英語の資格試験を受けようと思ったとき、多くの方が最初にぶつかるのが「英検とIELTS、どちらを選べばいいの?」という疑問です。
どちらも英語力を証明できる有名な試験ですが、評価される場面や必要とされる目的は異なります。
例えば、国内の大学受験や就職活動で評価されやすいのは英検ですが、海外留学や移住申請で必要とされるのはIELTSというケースが多いです。
さらに、試験の内容や難易度、受験できる頻度も大きく違います。
本記事では、英検とIELTSを「目的・難易度・スコア換算・試験形式・受験環境」という視点から丁寧に比較。
さらに、用途別のおすすめの選び方をわかりやすくご紹介します。
これを読めば、自分の目的に合った試験を迷わず選べるはずです。
1. 英検とIELTSの基本情報比較
試験の目的と対象者
英検(実用英語技能検定)は、日本で最も歴史があり、知名度の高い英語資格の一つです。
5級から1級まで幅広いレベル設定があり、小学生から社会人まで幅広い層が受験します。
特に国内での英語力証明としての信頼度が高く、高校や大学の入試優遇制度にも広く採用されています。
また、段階的に学習を進められるため、英語初心者や基礎固めをしたい方に向いています。
IELTS(International English Language Testing System)は、イギリスやオーストラリアを中心に世界140か国以上で実施されている国際的な英語試験です。
大学や大学院への出願、永住権や就労ビザ申請など、海外での生活に直結する場面で広く使われています。
試験は「アカデミックモジュール」と「ジェネラルトレーニングモジュール」の2種類があり、留学希望者は主にアカデミックを受験します。
受験形式と試験内容の違い
英検はリーディング・リスニング・ライティング(準2級以上)・スピーキング(面接)の4技能を測定します。
さらに級によって出題内容やレベルが異なります。
例えば、準2級では高校中級程度の語彙や文法が中心で、1級になると大学上級レベルの高度な表現や背景知識が求められます。
IELTSはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を1日で測定します。
リーディングは3つの長文読解、リスニングは30分程度の音声を4セクションで解答、ライティングでは150語と250語のエッセイ、スピーキングは試験官との面接で11〜14分程度行われます。
全技能を均等に評価するため、苦手分野があっても全体のスコアに影響します。
2. 英検とIELTSを徹底比較!難易度とレベル感
難易度の違い
英検は級が細かく分かれており、自分の実力に合ったレベルから挑戦できます。
例えば、準1級は社会問題や専門的トピックも含まれるため、アカデミックな語彙や論理的な文章構成力が求められます。
1級になると、英語圏の大学入学レベルの英語力が必要です。
IELTSはスコアが0.5刻みで評価され、バンドスコア0〜9まであります。
大学入学には6.0〜7.0程度、移住申請には6.5以上が必要な場合が多く、このスコアを達成するには高度な総合力が求められます。
特にライティングやスピーキングは採点基準が厳しく、自己採点が難しい分野です。
スコアの比較と換算表
英検1級はおおよそIELTS 6.5〜7.0に相当するとされ、TOEIC満点(990点)はIELTS 7.5に近いといわれています。
ただし、これはあくまで参考値であり、試験ごとの評価基準は異なります。
例えば、TOEICはリスニングとリーディングのみを測定するのに対し、IELTSはスピーキングやライティングも含まれるため、直接的な換算はできません。
それでも、おおまかなレベル感を知ることで、自分の到達度をイメージしやすくなります。
3. 英検とIELTSを徹底比較!試験の実施頻度
英検は年に数回、級ごとに実施日が決まっており、申し込み期間も限られます。
会場は全国にありますが、日程を逃すと次回まで数か月待たなければなりません。
一方で、学生にとっては学校単位で団体受験できる場合もあり、受験しやすい環境が整っています。
IELTSは年間を通じてほぼ毎週実施されており、会場や日程を選びやすいのが魅力です。
パソコンで受験する「IELTS on Computer」と紙で受験する「Paper-based IELTS」があり、スピーキングは必ず試験官と1対1で行われます。
短期間での再受験も可能なため、スコアアップを狙う方には柔軟性があります。
4. 英検とIELTSを徹底比較!用途別試験選び
国内受験・学習のステージに応じて
英語の基礎をしっかり固めたい方や、段階的にレベルアップしたい方には英検がおすすめです。
学校の成績や内申点に直結することも多く、特に高校・大学受験では入試優遇や加点制度が活用できます。
社会人でも、国内の資格として履歴書に記載できるため、採用担当者にアピールしやすい試験です。
留学・海外進学・移住を目指す場合
海外大学や専門学校、移民局への申請にはIELTSが広く採用されています。
特にアカデミックモジュールは、大学の講義やレポート作成を想定した課題が多く、留学後に必要なスキルを事前に鍛えられます。
英検の成績では評価されない場面が多いため、目的が海外であれば迷わずIELTSを選ぶのが確実です。
就職やキャリアアップの観点から
国内企業への就職や転職活動では、英検の評価が依然として高い傾向があります。
一方で、外資系企業や海外支社勤務を希望する場合はIELTSスコアを提示できると強い印象を与えられます。
将来的に国際的な舞台で活躍したい方は、英検で基礎を固めた後、IELTSに挑戦するのも良い流れです。
5. まとめ
英検とIELTSは、いずれも信頼性の高い英語資格ですが、用途や目的によって最適な選択肢は異なります。
国内での評価や基礎固めには英検が有利で、国際的な評価や海外での生活・学習にはIELTSが不可欠です。
自分が今どの学習段階にいるのか、そして将来どのような環境で英語を使いたいのかを明確にした上で、試験を選びましょう。
資格はゴールではなく、その先の目標を叶えるための手段です。正しい選択をすれば、努力が最大限に活きるはずです。